アジプロ（アジスロマイシン）

効果・効能

アジプロはクラミジア治療の第一選択薬・ジスロマックのジェネリック医薬品です。
有効成分にジスロマックと同じアジスロマイシンを配合しているため、ジスロマックと同様の有効性と安全性が得られます。

アジプロは、細菌によって起こる感染症の治療に効果的です。
菌の増殖を防ぐ抗菌作用と、症状に繋がる炎症を抑える抗炎症作用によって症状を改善します。

服用開始後、クラミジアや淋病は2〜3週間、その他の症状は4日ほどで症状が落ち着いていきます。

【適応症】
深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、咽頭・喉頭炎、扁桃炎（扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む）、急性気管支炎、肺炎、肺膿瘍、慢性呼吸器病変の二次感染、尿道炎、子宮頸管炎、骨盤内炎症性疾患、副鼻腔炎、歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎

抗菌作用

細菌が体内に侵入すると分裂を繰り返して増殖していきます。
分裂・増殖にはタンパク質を作り出すリボソームが必要不可欠。

アジプロはリボソームの働きを阻害し、タンパク質の生成を阻害。
細菌の増殖を防ぐことで感染症を治します。

抗炎症作用

感染症にかかると患部に痛みや腫れを生じます。
これは体内に侵入した細菌に対して、マクロファージや好中球といった免疫細胞が攻撃（免疫反応）をしようと働き、炎症が起こるからです。

アジプロは、免疫細胞の患部集中を阻害。
炎症を抑えるため、痛みやはれといった症状が改善していきます。

用法・用量

疾患に応じて適量を1日1回服用します。
服用は水またはぬるま湯で行ってください。
アジプロは食事の影響を受けないため、服用タイミングは定められていません。飲みやすいタイミングで服用しましょう。

【クラミジアや淋病による尿道炎や子宮頸管炎】
1000mg（4錠）を1回のみ服用します。

【淋病よる骨盤内炎症性疾患】
アジスロマイシン注射剤による治療を行った後、250mg（1錠）を1日1回服用します。

【扁桃炎・気管支炎・副鼻腔炎などを含むその他の疾患】
500mg（2錠）を1日1回、3日間服用します。

服用開始から4日以上経過しても症状に変化がないまたは悪化した場合は、医師に相談して他の薬に変更します。
ただし、尿道炎や子宮頸管炎は2〜4週間ほどの経過観察が必要です。

副作用

臨床試験における副作用の発現率は13.12％でした。
おもな副作用は下痢（3.28％）、好酸球数増加（2.67％）、ALT（GPT）増加（2.21％）、白血球数減少（1.60％）などです。他にも、嘔吐・腹痛・発疹といった症状も確認されています。

まれに意識障害が現れることがあるため、服用後の車の運転や機械の操縦は控えましょう。

アジプロは服用後7日間作用するため、服用終了後にも副作用が現れるケースがあります。
服用後も体調に気をつけましょう。

重大な副作用

アジプロには、アナフィラキシーや中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群といった重大な副作用が確認されています。

• アナフィラキシー：全身のチクチク感、めまい、はれ、かゆみなど
• 中毒性表皮壊死融解症：発熱、頭痛、咳、角結膜炎、全身の痛みなど
• 皮膚粘膜眼症候群：35℃以上の熱、目の充血・痛み、めやに、口内炎など

上記は各重大な副作用の初期症状です。
重大な副作用を適切な処置をせずに放置してしまうと、失明や死亡に至ってしまう恐れがあります。
症状が現れた場合は、服用を中止して速やかに医療機関を受診してください。

禁忌・注意

次にあてはまる人は、症状の悪化や心血管疾患を引き起こす恐れがあるため、服用する際には注意が必要です。

• 他のマクロライド系またはケトライド系薬剤に対してアレルギーのある人
• 高度な肝機能障害のある人
• 心疾患のある人

また、次にあてはまる医薬品とアジプロを併用すると、効果の増減や副作用の発現率の増加が確認されています。併用する際は医師や薬剤師の指示に従ってください。

• ワルファリン
• シクロスポリン
• メシル酸ネルフィナビル
• ジゴキシン
• ベネトクラクス

他にも持病や常用薬のある人は、アジプロを服用する前に医師に相談しましょう。

妊娠中または授乳中の女性の服用に関する注意点

妊婦
妊娠中の服用に関する安全性は確立していません。
母体や胎児に悪影響を及ぼす恐れがあるため、できるだけ服用は避けましょう。
治療によるベネフィットがデメリットを上回る場合にのみ服用できます。

授乳婦
配合成分の母乳への移行が確認されています。
母乳を通して乳児が摂取する恐れがあるため、やむを得ず服用する場合は授乳を中止してください。

参考サイト

本商品の詳細は、海外メーカーの商品情報の翻訳および以下のサイトを参考に編集しています。

• KEGGデータベース「ジスロマック」
• フリー百科事典 ウィキペディア「アジスロマイシン」