フラジール

効果・効能

フラジールは高い抗菌・抗原虫作用を持ち、なかでもトリコモナス症への有効性に優れた治療薬です。
一般的な抗生物質や抗菌薬よりも強い殺菌作用があるため、薬が効きにくい細菌（嫌気性細菌）への効果も期待できます。

原虫や細菌はDNA（デオキシリボ核酸）を持つ微生物です。
フラジールの有効成分であるメトロニダゾールは、体内で有機化合物（ニトロソ化合物）に変化し、微生物のDNA活性化を阻害します。

またメトロニダゾールが作用する際に発生する活性酵素（ヒドロキシラジカル）には、微生物のDNAの二重鎖を切断する働きがあります。
らせん構造が破壊された微生物は生存できなくなるため、原虫や細菌による感染症状が改善されるのです。

膣トリコモナスの治癒率は96.4％です

フラジールが日本で承認されたのは1961年で、発売開始から現在までトリコモナス症の第一選択薬として処方されています。
膣トリコモナスの患者を対象にした国内の臨床試験において、96.4％の症状改善率が確認されました。

同有効成分の膣錠もトリコモナス膣炎には有効ですが、内服薬であるフラジールなら男女どちらでも服用可能であり、原虫の再発率も低めです。

またトリコモナス症によって免疫力が低下すると、二次感染のリスクが上がります。
しかしフラジールには高い抗菌作用があるため、内服すれば二次感染の予防も可能です。

用法・用量

トリコモナス症の治療時には、メトロニダゾールとして250mg（1／2錠）を1日1回、10日間服用してください。
毎日同じ時間に服用することで効果を発揮します。

トリコモナス症以外の感染症については以下の用法・用量が基本です。

・アメーバ赤痢の場合
メトロニダゾールとして500mgを1日3回、10日間服用

・嫌気性細菌感染症の場合
メトロニダゾールとして500mgを1日3～4回服用

・感染性腸炎の場合
メトロニダゾールとして250mgを1日4回（または500mgを1日2回）、7日間服用

アルコールと併用すると強い副作用が出る恐れがあります

有効成分メトロニダゾールは、アルコールを分解する酵素（アルデヒド脱水酵素）の働きを阻害し、重い副作用を招く恐れがあります。

フラジールは水かぬるま湯で服用し、アルコールと一緒に飲むことはやめてください。
服用期間中は飲酒を避けるようにしましょう。

副作用

症例数は少ないものの、消化器関連の副作用が報告されています。
下痢や腹痛が続くようであればフラジールの服用を中断し、医療機関を受診してください。

用法・用量を誤ると神経障害などの重篤な副作用が起こる恐れがあります。
長期間の服用には適していません。

禁忌・注意

フラジールに併用禁忌薬はありません。
しかし有効成分に対してアレルギーの既往歴がある人はフラジールの服用が禁止されています。

※以下に該当する人はフラジールの服用について医師に相談してください

• 脳腫瘍またはその既往歴がある
• 肝機能障害がある
• 血液疾患がある
• コケイン症候群である
• 妊娠中または授乳中である
• 併用注意薬（リトナビル含有製剤、ワルファリン、リチウム、ジスルフィラム、シクロスポリン、ブルスファン、フェノバルビタール）を服用中である

参考サイト

本商品の詳細は、海外メーカーの商品情報の翻訳および以下のサイトを参考に編集しています。

• KEGGデータベース「フラジール」
• フリー百科事典 ウィキペディア「メトロニダゾール」