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片頭痛に関する情報ページ

片頭痛ってどんな病気?

片頭痛(偏頭痛)は、頭の片側もしくは両側が脈打つように起こる頭痛です。
頭痛以外にも吐き気や感覚過敏といった症状が現れます

症状を我慢できる場合もありますが、多くの場合、早めに痛みを抑えなければ症状は悪化していきます。
場合によっては、起き上がることができず生活に支障をきたしてしまうこともあります。

片頭痛はストレスや気候の変化、ホルモンバランスの乱れなどが原因で起こります。
特に20〜40代の女性に有病者が多く、この年代の女性はホルモンの影響を受けやすいためと考えられています。

片頭痛の症状

症状 特徴
頭痛 頭の片側または両側
視覚・聴覚・嗅覚が過敏 光や音、匂いに対して過敏になる
不快さを感じて頭痛が悪化することも
皮膚の感覚が過敏
(アロディニア)
軽く触れるだけでも痛みを感じる
頭痛が出て20分以上経過した頃に起こる
吐き気・嘔吐 頭痛が悪化していくと起こる

片頭痛の痛みは頭の片側だけでなく両側に生じることも多く、片頭痛を患っている人のうち40%は頭の両側に痛みを感じています。
また症状は頭痛だけではなく、感覚の過敏や吐き気といった症状も見られます。
どの症状も時間の経過とともにひどくなる上、少し歩いたり階段を上り下りするだけでも悪化することがあります。

片頭痛の発症頻度には個人差がありますが、痛みは4時間~数日続き、月に1〜2回、多い人では週に1〜2回の頻度で起こります。

▶片頭痛の緩和・予防方法

片頭痛と緊張型頭痛の違い

片頭痛の症状にあてはまらない人は、緊張型頭痛かもしれません。
どちらも頭部が猛烈に痛むため間違えがちですが、それぞれ原因や症状、頻度が異なるため、別の頭痛です。
改善方法にも違いがあるため、間違って判断してしまうと症状が治まらず悪化していくことも。
それぞれの特徴を理解して自分の頭痛の種類を知り、適切な対応を取りましょう。

片頭痛 緊張型頭痛
主な原因 ホルモン
気候
生活習慣の乱れなど
目の酷使(眼精疲労)
精神的ストレスなど
症状 脈打つような痛み 締めつけるような痛み
他の症状 音や光に敏感
吐き気
首や肩のこり
めまい
前兆 視覚異常
感覚異常
失語性言語障害
首のこり
持続時間 4~72時間 30分~7日間
頻度 月2~6回 月数回、または毎日
改善方法 安静
頭部を冷やす
片頭痛薬
頭部を温める
首や肩・頭部のマッサージ
頭痛薬

片頭痛の予兆と前兆

片頭痛が始まる前に見られる症状を、予兆や前兆といいます。

  • 予兆:数時間~2日前に見られる
  • 前兆:直前や同時期に見られる

予兆や前兆が現れることで、事前に片頭痛を予測して備えることができます。
しかし、毎回必ず予兆や前兆が起こるわけではありません。また、予兆や前兆の症状が現れても片頭痛が起こらない場合もあります。

予兆で見られる症状

  • 集中力の低下
  • 疲労感が溜まる
  • 食欲増進
  • 情緒不安定
  • 落ち込みやすい など

前兆で見られる症状

  • 視覚症状:閃輝暗転(視界にきらきらした点が現れる)
  • 感覚症状:しびれ、脱力感など
  • 言語症状:失語、しゃべりにくいなど

前兆で見られる閃輝暗点は、視界にギザギザまたはキラキラした模様が現れる・視界の一部が歪んで見えるといった症状です。
閃輝暗点は目の異常ではなく、脳にある視覚に作用する部分の血流が急変して起こります。

閃輝暗転の見え方の例

片頭痛が起こる仕組み

片頭痛の仕組みはまだ解明されていませんが、有力な仕組みとして血管の拡張と三叉神経の圧迫が挙げられています。

片頭痛が起こる仕組み

何らかの原因で血管が拡張すると、血管に巻きついている三叉神経を圧迫します。
圧迫された三叉神経が痛みを生む物質(プロスタグランジン)を放出して炎症が起こることで片頭痛が現れます。
鼓動とともに血管もリズムよく脈打ち三叉神経が圧迫されるため、片頭痛はズキンズキンと脈打つような痛みを感じるのです。

片頭痛が起こるきっかけ

片頭痛を引き起こす主なきっかけは7つあり、ホルモンバランスの乱れ・ストレス・気候の変化・食事・アルコール・睡眠・遺伝と言われています。
これらは血管の拡張に繋がるため、片頭痛を引き起こしてしまいます。

きっかけ 時期 原因
ホルモンバランス(女性) 月経前後 セロトニンの放出により血管が収縮し拡張する
ストレス 休日 心身の緊張状態が緩和され、血管が収縮し拡張する
気候 季節や天気の変わり目 自律神経が乱れて血管が収縮し拡張する
食事 ポリフェノールを含む食事をした時 血管を収縮する作用のあるポリフェノールの蓄積
アルコール アルコールを摂取した時 アルコールの血管拡張作用により血管が広がる
睡眠 ・睡眠不足の時
・睡眠過多の時
・自律神経が乱れて血管の収縮と拡張を繰り返す
・体を起こした時に一気に血流が増加→血管が拡張
遺伝 他の原因を助長

頭痛の緩和・予防方法

片頭痛の根本的治療法はまだ確立されていません。
そのため、1.痛みの緩和と2.発症の予防が大切です。
緩和方法と予防方法にはそれぞれ、医薬品を使用する方法と過ごし方に気をつける方法の2通りがあります。

頭痛を和らげる治療薬

片頭痛が現れたら痛みを抑える治療薬を服用しましょう。
治療薬はおもに、非ステロイド性消炎鎮痛剤・トリプタン製剤・エルゴタミン製剤の3つに分けられます。

非ステロイド性消炎鎮痛剤 トリプタン製剤 エルゴタミン製剤
作用 炎症を抑える 血管を収縮させる 血管を収縮させる
痛み物質の分泌を抑制する
おもな商品 エコスピリン(アスピリン)
アートリル(イブプロフェン)
スミナット(スマトリプタン)
マクトリン(リザトリプタン)
クリアミン
ジヒデルゴット

▶片頭痛治療薬の違いと選び方

頭痛は時間が経つにつれて増していき、数時間〜72時間続きます。
治療薬は頭痛を感じたらすぐに飲む必要があり、時間が経ってから服用しても期待する効果は得られません。
吐き気や嘔吐を伴う片頭痛の場合は、吐き気止めも同時に摂取しましょう。

症状を悪化させない方法

治療薬を飲んだ後の過ごし方に気をつけなければ、効果の遅延や症状の悪化を招いてしまう恐れがあります。
そのため、治療薬を服用後は次のポイントを意識して過ごしましょう。

気をつけるポイント

  • 血流の促進を防ぐ
  • 光や音など外部からの刺激を避ける

そのため、入浴や運動、アルコールの摂取、スマホを触るといった行動は避けて、次のように過ごしましょう。

症状を悪化させない方法
頭部を冷やす 広がった血管が縮まり神経の圧迫を防ぐ
こめかみの脈打つ場所を冷やす
安静にする 五感に対する外部からの刺激をシャットアウト
体が温まり血流が良くなるのを防ぐ
カフェインを摂る カフェインは血管収縮作用がある
安静にする前にコーヒーや紅茶を飲む

片頭痛の予防方法

片頭痛は生活習慣の改善で発現頻度は抑えられます。
片頭痛の起こるきっかけは生活習慣の乱れである場合がほとんど。
乱れた生活習慣を改善することで片頭痛が起こりにくくなります。

▶片頭痛が起こるきっかけ

セロトニンの分泌量を安定させる 健康的な生活習慣を送る
(食事・運動・規則正しい生活・日光浴など)
ストレスを溜めない ストレスを感じにくい環境に身を置く
ストレスを適度に発散する
適度な睡眠を取る 適した睡眠時間で睡眠の質を高める
閑静な場所で過ごす 閑静かつ目への刺激が少ない場所で過ごす
ポリフェノールを含む食材を避ける 酒、チーズ、チョコレートブドウなど

医薬品での予防方法

片頭痛は医薬品での予防が可能です。
しかし、予防といっても完全に片頭痛の発現を防ぐのではなく、1.発現頻度の減少、2.症状の軽減、3.痛みの持続時間の短縮が目的です。

予防薬の服用がおすすめな人

  • 月に2回以上痛みが出る
  • 一度痛むと長時間続く
  • 片頭痛治療薬が併用禁忌薬
  • 睡眠中に頭痛が起こるから薬が飲めない
  • 片頭痛薬を飲んでも痛みが緩和されない

治療薬はカルシウム拮抗薬・抗うつ薬・抗てんかん薬・β遮断薬の大きく4つに分けられます。

薬の種類 カルシウム拮抗薬 抗うつ薬 抗てんかん薬 β遮断薬
作用 血圧を下げる 脳内のセロトニンの量を増やす 細胞の興奮を抑制する 中枢における神経伝達物質に関与する
おもな商品
(成分名)
シベリウム
(フルナリジン)
アロー
(アミトリプチリン)
デパケン
(バルプロ酸)
インデラル
(プロプラノロール)

片頭痛予防薬は毎日規則正しく服用する必要があります。頭痛を感じてから服用しても鎮痛作用は望めません。
常用することで片頭痛へとつながるセロトニンの減少や血圧低下による血管の収縮、細胞の興奮などを抑えられます。

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