アクトス

効果・効能

アクトスは2型糖尿病の治療薬です。
日本の製薬会社である武田テバ薬品が製造し、武田薬品工業が販売しています。

食事に含まれる糖分はブドウ糖として血中に取り込まれます。
ブドウ糖の代謝を調整するのがインスリンというホルモンで、血糖値を一定に保つために欠かせません。

糖尿病患者の95%を占める2型糖尿病は、インスリンの働きが低下して発症します。
主な原因は遺伝や高脂肪食、運動不足などによる肥満。
肥大化した脂肪細胞がインスリンに対する抵抗性を持ち、血糖値の調整がうまくいかなくなるのです。

アクトスの有効成分ピオグリタゾンは、脂肪細胞を小分けにしてインスリンへの抵抗性を改善し、血糖値を下げる効果を持ちます。
糖尿病による合併症予防のためにも早めの治療が肝心です。

用法・用量

アクトスは毎朝の食前、または食後に服用します。
1回の用量はピオグリタゾンとして15～30mgです。

年齢や症状に応じて用量は増減しますが、1日に服用できるのはピオグリタゾンとして45mgまでです。
インスリン製剤の注射を行なう場合の服用方法については、かかりつけの医師にご相談ください。

食事療法と運動療法を並行しましょう

アクトスはインスリンの働きを助けて血糖値を下げますが、糖尿病は投薬治療のみで改善する病気ではありません。
高脂肪・高カロリーの食事を見直し、栄養バランスが整った食生活を心がける必要があります。
また運動不足も肥満の原因となるため、普段から適度な運動を行なうことが大切です。

食事療法と運動療法のみで血糖値の改善が見られない場合、アクトスの服用を並行しましょう。

副作用

アクトスの重大な副作用として、心不全、浮腫、肝機能障害、低血糖、横紋筋融解症、間質性肺炎、胃潰瘍の再燃が報告されています。
特に浮腫の発現率は8.2%と高めです。
異常があった場合は服用を中断し、医療機を受診してください。

禁忌・注意

• 心不全および心不全の既往歴がある
• 重症ケトーシス、糖尿病性昏睡または前昏睡、1型糖尿病
• 重篤な肝障害／腎障害がある
• 重症性感染症、手術前後、重篤な外傷がある
• 有効成分にアレルギーがある
• 妊娠中または妊娠の可能性がある

上記に当てはまる人はアクトスを服用できません。

使用上の注意

以下の医薬品はアクトスとの併用に注意が必要です。
服用中の人は事前に医師に相談してください。

・糖尿病治療薬
└スルホニルウレア系薬剤、ビグアナイド系薬剤、速効型インスリン分泌促進薬、α-グルコシダーゼ阻害剤、DPP-4阻害剤、GLP-1アナログ製剤、インスリン製剤

・糖尿病治療薬の血糖降下作用を増強する薬
└β-遮断剤、サリチル酸剤、モノアミン酸化酵素阻害剤、フィブラート系の高脂血症治療剤、ワルファリンなど

・糖尿病治療薬の血糖降下作用を減退する薬
└アドレナリン、副腎皮質ホルモン、甲状腺ホルモンなど

・リファンピシンなどのCYP2C8を誘導する薬

参考サイト

アクトスの効能・効果、用法・用量、副作用、禁忌・注意について、海外メーカーの商品情報の翻訳および以下のサイトを参考に編集しています。

• KEGGデータベース「アクトス」