エロコン

効果・効能

エロコンは、日本で処方されているステロイド外用薬・フルメタのジェネリック医薬品です。
有効成分・モメタゾンフランカルボン酸エステルの抗炎症作用・免疫抑制作用によって、皮膚症状や円形脱毛症を改善します。

皮膚の炎症は、PG（プロスタグランジン）やロイコトリエンという物質によって引き起こされます。
PGやロイコトリエンが活性化するためには、ホスホリパーゼA2という酵素が必要不可欠です。

モメタゾンフランカルボン酸エステルは、ホスホリパーゼA2を阻害する役割を持つリポコルチンというタンパク質の生成を促す働きがあります。
その結果、かゆみや炎症の原因となるPGやロイコトリエンが抑制され、湿疹や乾癬、紅皮症などの皮膚症状を改善します。

免疫機能を抑制してアレルギー性皮膚炎の症状を改善します

アレルギー性皮膚炎の人は、免疫機能が過剰に働きやすくなっています。
ダニ・ほこり・食物などアレルギーの原因となる物質（アレルゲン）が皮膚の内部に侵入すると、免疫機能が働いてアレルゲンを攻撃することで皮膚が炎症を起こしてしまうのです。

正常な皮膚はバリア機能を備えており、アレルゲンの侵入を阻止できます。
しかし、炎症が起きている皮膚はバリア機能の低下によって、アレルゲンが簡単に侵入できるため、皮膚炎が悪化します。

モメタゾンフランカルボン酸エステルは免疫機能を抑制する働きがあり、炎症が起こるのを防ぐことでアレルギー皮膚炎を緩和します。

円形脱毛症の治療にも有効です

円形脱毛症の原因のひとつに、自己免疫疾患が挙げられます。
免疫機能が異常をきたし、毛を作り出す組織を攻撃することによって、毛根が炎症を起こしているのです。

疫機能を抑えて毛根の炎症を防ぐことにより頭皮が正常に戻るため、エロコンは円形脱毛の治療にも効果があります。

日本皮膚科学会による円形脱毛症診療ガイドライン2017年版において、ステロイド外用剤による治療は安全性と使用実績が高い評価を受けました。

市販のステロイド外用薬よりも高い治療効果があります

ステロイド外用薬は、効果の強弱を5段階に分類しています。

その中でモメタゾンフランカルボン酸エステル0.1％は、上から2番目に強い「とても強い（very strong）」に指定されています。

市販で購入できるステロイド外用薬は「弱い（weak）」「普通（medium）」「強い（strong）」のみです。
より強力な効果を求める場合には、「とても強い」に属するエロコンが有効です。

用法・用量

エロコンの使用前は患部や手指を清潔にして、肌を傷つけないように優しく塗布してください。
患部以外に薬剤を付着させないようにしましょう。

長期的に使用すると強い副作用を招く恐れがあるため、症状が改善した後は過度な使用を控えましょう。

使用量の目安

外用薬では薬の効果をしっかり得るための目安にFTU（フィンガーチップユニット）が使用されています。
成人の人差し指から第一関節まで薬を乗せた量が1FTUです。

エロコンを使用する際、各部位におけるFTUの目安は以下の通りです。

副作用

頻度は稀ですが重大な副作用として、眼圧亢進、緑内障、後嚢白内障が報告されています。
これらの初期症状である頭痛や目の異常（かすみ、痛み、眩さ）を確認した場合は、すみやかに医師の診察を受けてください。

禁忌・注意

以下に該当する場合は、エロコンを使用できません。

• 細菌、真菌、スピロヘータ、ウイルス皮膚感染症がある
• 疥癬やけじらみなどの動物性皮膚疾患がある
• 湿疹性外耳道炎の患者のうち鼓膜に穿孔がある
• 潰瘍、第二度深在性以上の熱傷または凍傷がある

以下に該当する場合は、エロコンを使用する前にかかりつけ医に相談してください。

• 65歳以上の高齢者
• 妊娠中または妊娠の可能性がある
• 授乳中

参考サイト

本商品の詳細は、海外メーカーの商品情報の翻訳および以下のサイトを参考に編集しています。

• KEGGデータベース「フルメタ」
• フリー百科事典 ウィキペディア「モメタゾン」