バリラップ（バリシチニブ）

効果・効能

バリラップは炎症による関節リウマチやアトピー性皮膚炎、円形脱毛症、新型コロナによる肺炎の症状を緩和します。

炎症は、サイトカイン（細胞から細胞へ情報を伝える物質）が分泌されて免疫反応が活発化することで起こります。
バリラップはサイトカインの働きを阻害。炎症を抑えることで症状を緩和します。

各適応症に対する作用

・関節リウマチ
関節の炎症を鎮めて、腫れや痛みなどを緩和します。
既存の治療で効果が不十分な場合に使用します。

・アトピー性皮膚炎
炎症をコントロールしてかゆみや湿疹を改善します。
ミディアム〜ストロングクラス以上のステロイド外用薬で効果が不十分な中等症から重症のアトピー性皮膚炎に効果が確認されています。

・円形脱毛症
過剰な免疫反応による毛包への攻撃を抑えて、脱毛範囲を縮小させます。
4mgを9ヵ月服用したところ、重症患者の約39％の方が脱毛面積が20％以下になったという報告があります。

・新型コロナによる肺炎
肺の炎症を抑えて、中等度以上の肺炎症状を緩和します。

用法・用量

・関節リウマチ、アトピー性皮膚炎、円形脱毛症
1日1回4mgを水またはぬるま湯で服用します。
4mgで治療効果が現れた場合は、1回2mgに減量してください。
また、中等度の腎機能障害がある人は、1日1回2mgを服用します。

アトピー性皮膚炎は8週間以内、円形脱毛症には36週間以内に効果が現れます。
期間内に効果が見受けられない場合は使用を中止し、ほかの治療方法を検討するために医療機関を受診してください。

・新型コロナによる肺炎
1日1回4mgを14日間、レムデシビルと併用します。
中等度の腎機能障害がある人は、1日1回2mgを服用してください。
重度の腎機能障害のある人は、治療上のベネフィットがリスクを上回る場合のみ投与できます。

副作用

症状が重篤化または長期化する場合は、服用を中止して速やかに医療機関を受診してください。

重篤な副作用

重篤な副作用として帯状疱疹や静脈血栓塞栓症などが報告されています。

帯状疱疹：皮膚の痛み・違和感・かゆみ、発疹など
静脈血栓塞栓症：下肢に痛み・はれ・色調の変化、冷や汗、動悸など

上記の症状が見られた場合は速やかに医療機関を受診してください。

禁忌・注意

バリシチニブを用いた動物実験では、催奇形性や受胎能・胎児の発達・出生時の体重への影響も報告されています。

また、妊娠可能な女性は、バリラップを服用中または服用後1月経周期は適切な避妊を行う必要があります。

併用禁忌薬

次の医薬品とバリラップは、感染症のリスクを増加する恐れがあるため併用できません。

• 抗リウマチ生物製剤
• ほかの経口ヤヌスキナーゼ阻害剤
• 免疫抑制剤

使用に注意が必要な人

次にあてはまる人は慎重にバリラップを服用する必要があります。

• 感染症にかかっている人またはその疑いがある
• 腸管憩室がある
• 間質性肺炎の既往歴がある
• 静脈血栓塞栓症のリスクがある
• B型肝炎ウイルスキャリアまたはその既往歴がある
• C型肝炎患者
• 好中球減少・リンパ球減少・ヘモグロビン値減少のいずれかがある
• 中等度以下の腎機能障害
• 肝機能障害
• 授乳中の女性
• 高齢者
• プロベネシドを服用している

ほかにも持病や常用薬のある人は、バリラップを服用する前に医師に相談してください。

保管方法

• 直射日光、高温・多湿を避けて保管してください。
• 小さな子供の手が届かない場所に保管してください。
• 使用期限（EXP）が過ぎた商品は摂取しないでください。

参考サイト

本商品の詳細は、海外メーカーの商品情報の翻訳および以下のサイトを参考に編集しています。

• KEGGデータベース「オルミエント」
• フリー百科事典 ウィキペディア「バリシチニブ」