デキソナ（デキサメタゾン）

効果・効能

デキソナは副腎皮質ホルモン・コルチゾールを元に作られたステロイド薬です。
抗炎症作用や抗炎症作用や免疫抑制作用などの作用を持ち、抗炎症作用はアレルギー性疾患、免疫抑制作用は自己免疫疾患に作用します。

ステロイドは半減期の時間により、短時間型・中時間型・長時間型の3つに分類されます。
デキソナは長時間型で、半減期は3.5〜5時間です。
半減期が長いほど作用は強くなるため、デキソナは抗炎症作用や免疫抑制作用が強いと言われています。

【適応症】
関節リウマチ、多発性筋炎、気管支喘息、白血病、胃潰瘍性大腸炎、慢性肝炎、肝硬変、肺結核、前立腺がん、アトピー性皮膚炎、急性・慢性中耳炎、花粉症など

新型コロナウイルス感染症の治療

デキサメタゾンは、全身性炎症反応を起こしている新型コロナウイルス感染症の中等症〜重症患者に用いられています。

新型コロナウイルスに感染すると身体の各部位に炎症が起こり、発熱やのどの痛みといった症状を引き起こします。
炎症量が増えるほど症状は重症化し、肺障害や多臓器不全を伴うことも。

デキサメタゾンを服用すると抗炎症作用により全身の炎症を予防・抑制し、重症化の抑止や症状の緩和が行えます。

イギリスでは、新型コロナウイルスに感染した患者へデキサメタゾンを使用した場合と使用しなかった場合の死亡率を調査。

【感染後28日以内の死亡率】

酸素投与の種類に関わらず、中等症〜重症患者の場合はデキサメタゾンを用いて治療を行った方が死亡率が低いことが分かっています。
※ただし、軽症患者への効果は見られませんでした。

用法・用量

【通常の用法用量】

【抗悪性腫瘍剤投与にともなう消化器症状に用いる場合】

【全身性ALアミロイドーシスに用いる場合】

いずれの場合でも、服用は水またはぬるま湯で行います。
連用した際に急に服用をやめると発熱や頭痛、食欲不振などの離脱症状が現れることがあります。
服用を中止する場合は徐々に減量を行い、離脱症状が発現した場合は増量してください。

新型コロナウイルス感染症の治療に用いる場合

新型コロナウイルス感染症の治療に用いる場合は、体重によって服用量が異なります。

※服用錠の注意点

• 血糖値測定やリスクに応じた消化性潰瘍の予防も検討してください。
• 妊娠中または授乳中の女性は服用できません。
• 高用量ステロイド投与の有効性と安全性は明らかになっていません。

副作用

長期または大量に服用するとさまざまな副作用の出現リスクが高まります。

服用初期に見られる症状が軽度な場合は治療を優先します。
しかし重症化または長期化する場合や、長期または大量服用時に見られる症状が出た場合は、速やかに医師に相談してください。

禁忌・注意

【併用禁忌薬】
ミニリンメルト、エジュラント、オデフシィ、コムプレラ、ジャルカ、ダクルインザ、スンベプラ、ジメンシー

【服用に注意が必要な人】
感染症、消化性潰瘍、精神病、結核性疾患、単純疱疹性角膜炎、後嚢白内障、緑内障、高血圧症、血栓症、糖尿病、骨粗鬆症、脂肪肝、脂肪閉塞症、重症筋無力症、腎不全、肝硬変、電解質異常がある、甲状腺機能低下がある、急性心筋梗塞を起こしたことがある、最近内蔵の手術をした、B型肝炎ウイルスを保菌している、妊娠中または授乳中の女性、20歳未満、高齢者

【併用注意薬】
イマチニブ、エプレレノン、エレトリプタン、カスポファンギン、フェニトイン、HIVプロテアーゼ阻害剤、アプレピタント、マクロライド系抗生物質、メフロキン、シクロスポリン、アスピリン、抗擬血剤、糖尿病薬、血圧降下剤、利尿剤、カルシウム受容体作動薬、エフェドリン、サリドマイドなど

上記以外にも持病や常用薬のある人は、デキソナを服用する前に医師にご相談ください。

保管方法

• 直射日光、高温・多湿を避けて保管してください。
• 小さな子供の手が届かない場所に保管してください。
• 使用期限（EXP）が過ぎた商品は、摂取しないでください。

参考サイト

本商品の詳細は、海外メーカーの商品情報の翻訳および以下のサイトを参考に編集しています。

• 日本感染症学会「COVID-19 に対する薬物治療の考え方 第7版」
• KEGGデータベース「デカドロン」
• フリー百科事典 ウィキペディア「デキサメタゾン」