ヒトリジン

効果・効能

ヒトリジンはアレルギー薬であるジルテックのジェネリック医薬品です。

蕁麻疹や皮膚炎、アレルギー性鼻炎などといったアレルギー症状は、アレルギーを引き起こす物質（アレルゲン）が体内へと侵入することで起こります。
アレルゲンが体内に入ると神経伝達物質であるヒスタミンが放出されます。
放出されたヒスタミンが各部位にあるヒスタミン受容体と結合して炎症を起こすことで、アレルギー症状が発現するのです。

ヒトリジンはヒスタミンの働きを阻害する作用を持っています。
ヒトリジンの有効成分・セチリジンがヒスタミン受容体と結合し、ヒスタミンとヒスタミン受容体の結合を阻害。ヒスタミンとヒスタミン受容体が結合できないと炎症が起こらなくなるため、アレルギー症状が改善されるのです。

各症状の改善率

国内で行われた症状別の臨床試験では、次のような改善率が報告されています。

皮膚症状においては6～7割の改善率を示し、鼻炎症状に対しても約半数の確率で効果を発揮します。

また、短期服用においても十分な効果を発揮しますが、長期服用でより高い効果が得られることが分かります。

用法・用量

服用は必ず就寝前に水またはぬるま湯で行いましょう。
症状や年齢に応じて服用量を調整しますが、1日の最大摂取量が20mgを超えないようにしてください。

服用に注意しなければならない人の服用方法

・軽度～中等度の腎機能障害がある人
クレアチニンクリアランス10ml／min以上50ml／min未満の人は用法用量を調節すると服用が可能となります。

・肝機能障害のある人や高齢者
1日1回5mgから服用を開始して、状況を見ながら服用量を増量していきます。

副作用

日本で行われた各症状別の臨床試験では、副作用の発現率と主な副作用は次の通りです。

どの症状にヒトリジンを用いても、副作用の発現率は10％未満であり、主な副作用は眠気です。
眠気があるまま車の運転や機械の操縦を行うと危険を伴うため、服用後はすぐに眠るようにしましょう。
しかし、従来のアレルギー薬とは異なり、ヒスタミン受容体へと選択的に作用するため副作用の発現は軽減されています。

過量投与を行った場合には、錯乱、散瞳、落ち着きのなさ、鎮静などの症状が現れることがあります。

重大な副作用

重大な副作用としてアナフィラキシー、痙攣、肝機能障害、血小板減少などが報告されています。

アナフィラキシー：呼吸困難、血圧低下、蕁麻疹、発赤など
痙攣：めまい、手足のぴくつき、一時的に気が遠のくなど
肝機能障害：全身倦怠感、食欲不振、発熱、嘔気など
血小板減少：皮膚の内出血、歯ぐきの出血、血尿など

これらの症状が見られた場合は、服用を中断して医師の診察を受けてください。

禁忌・注意

腎機能障害（クレアチニンクリアランス10ml／min未満）のある人がヒトリジンを服用すると血中濃度が高くなり、副作用が強く出てしまう恐れがあるため服用できません。

次にあてはまる薬との併用は成分の吸収量が増加したり血中濃度が上昇したり、中枢神経に影響を与えてしまう恐れがあるため注意が必要です。

• テオフィリン
• リトナビル
• 中枢神経抑制剤
• アルコール
• ピルシカイニド塩酸塩水和物

上記以外にも持病や常用薬のある人は、ヒトリジンを服用する前に必ず医師に相談してください。

妊娠中または授乳中の女性の服用は注意が必要です

妊娠中または妊娠している可能性のある女性は、ヒトリジンでの治療によるメリットがデメリットを上回る場合にのみ服用可能です。
ラットによる動物実験において、成分が胎盤を通過することが報告されています。

授乳中の女性は、ヒトリジンでの治療と母乳育児のメリットを比較して、授乳の継続または中断を検討しましょう。
成分がヒト乳汁へ移行することが分かっています。

参考サイト

本商品の詳細は、海外メーカーの商品情報の翻訳および以下のサイトを参考に編集しています。

• KEGGデータベース「ジルテック」
• フリー百科事典 ウィキペディア「セチリジン」