【淋病】男性に多い性感染症です
淋病とは
淋病は男性がかかりやすい性感染症で、尿道から膿が出たら要注意!
女性は無症状のケースが多く、放置すると男女ともに不妊のリスクが高まります。
抗生物質で治せるので、早めの気づきと治療開始が大切です。
淋病(淋菌感染症)は、日本で2番目に多い感染症です。
感染者は若い世代に多く、20代の男性2,654人、女性1,267人と、男性の感染者数が圧倒的に多いのが特徴です。
参照元:厚生労働省「2019年 性感染症報告数」
症状|男性の排尿痛、粘り気のある膿に要注意
淋病に感染してから発症するまでの期間は、2~7日ほどです。
クラミジアの症状と似ているため判断がつきにくいですが、淋病の方がより重く現れます。男性は尿道から粘り気のある膿が出て、排尿時には激しく痛みます。
女性は無症状のままでいることが多く、重症化してから気づくことも。
また、自覚症状がないままパートナーへうつしているケースも考えられます。
のどにも感染します
淋病は、のどや目、肛門など性器以外の場所からも感染します。
しかしオーラルセックスでうつることはあまり知られていないため、感染を広げる大きな原因となっています。
・のどに感染した時の症状
のどの腫れや痛み、発熱(実際に症状が現れることはあまりありません)
・目に感染した時の症状
まぶたが腫れる、白目がゼリー状になる、膿が出る(結膜炎)
・直腸に感染した時の症状
肛門のかゆみや違和感、アナルセックス時に痛む、下痢や血便
検査|専用のキットで感染の有無を確認できます
淋病にかかった場合、男性ははっきりとした症状が出るので気づやすいですが、女性は無症状のままでいることが多く、「知らないうちにうつっていた・うつしていた」というケースもあります。
- 不特定多数の相手と性行為を行なった
- パートナーが淋病にかかっていた
など、不安な心当たりがある場合には、早めに性病検査を受けましょう。
専門機関で検査する方法
淋病の検査は、病院や保健所で受けられます。
肛門、うがい液、膣液、尿道などから検体を採取します。
検査費用は3,000円~(病院による)で、点滴や注射などの治療費が別でかかります。
検査キットを使う方法
自分で感染の有無をチェックできる検査キットを使用します。
専用の麺棒を尿管(男性)や膣(女性)に差し込み、検体を採取します。
自宅で検査・判定ができるので、「病院で検査を受けるのは恥ずかしい」「通院する時間がない」という人におすすめです。
原因|オーラルセックスによって感染が広まっています
淋病の原因は、淋菌という細菌です。(参考:国立感染症研究所)
淋菌は治療薬に対して耐性がつきやすく、再感染した場合に前回使用した抗生物質では効かないことがあります。
感染と治療を繰り返していると、さまざまな治療薬に耐性がついてしまう可能性があります。
淋病は粘膜からうつるため、性器以外にも目やのど、肛門などでの感染にも注意が必要です。
細菌が侵入しやすい体の部位
男性/尿道、肛門、のど
女性/膣、肛門、のど
感染を招く行動
性行為(膣への挿入、オーラルセックス、アナルセックス)
※キスや飲み物のまわし飲みによる感染率は低いと考えられています。
治療|抗生物質の注射、点滴、内服があります
淋病の治療には、抗生物質を使用します。
ただし淋病は耐性菌(薬が効かない菌)が育ちやすいため、再発時には治療薬の種類を変える必要があります。
注射、点滴、内服薬(飲み薬)のいずれも、薬剤の種類によって治療期間や投与回数は異なります。
淋病の治療薬 | ||||
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商品名 | ジスロマック | レボフロックス | ディヴァイン | カンピシリン |
有効成分 | アジスロマイシン | レボフロキサシン | ミノサイクリン | アンピシリン |
分類 | マクロライド系 | ニューキノロン系 | テトラサイクリン系 | ペニシリン系 |
特徴 | 効果が長く続くため、一度の服用で済む | 副作用が少なく、アレルギーが出にくい | 効果と副作用のバランスがいい | アレルギーが出やすい点に注意 |
淋病を放置すると不妊のリスクを高めます
淋病にかかっていることに気づかず放置していると、淋菌が体内に広まってほかの病気へと発展していく場合があります。
さらに、病気が原因で男女ともに不妊リスクが高まるため、早めの治療開始と完治の確認が重要です。
男性の病気
【前立腺炎】
前立腺の炎症。前立腺が大きく腫れて、排尿困難・頻尿・排尿痛などの症状が出る。
【精巣上体炎】
精巣上体の炎症。性器の痛み、腫れ、発熱などが起こる。
女性の病気
【卵管炎】
細菌の進行により、子宮頸管炎から発展することが多い。
【骨盤内炎症性疾患(PID)】
子宮や卵管、卵巣などで起こる感染症。腫瘍、下腹部痛、不正出血などが起こる。
薬を飲んでも治らない場合
淋病の治療薬を使用しても治癒しない場合には、薬の種類を変えてみましょう。
淋菌は薬に耐性がつきやすく、一度使ったことがある有効成分では効かない場合があります。
再発・再感染を繰り返しやすい人は治療のたびに用いた薬を記録しておき、次の治療時にはほかの薬を選ぶようにしましょう。
パートナーの治療も忘れずに
性行為の相手がいる場合には、自分だけでなくパートナーも一緒に治療を行なうことが大切です。
どちらか一方が治ったとしても、もう一人が淋菌を保有していれば再感染するリスクは大。
女性は症状がない場合も多いため、男性に淋病の症状が現れたら自分もかかっているものとして治療を始めましょう。